BBB / ベルリンの水泳教室事情

この夏休みは覚悟を決めて5歳の長男を毎日(月・火・水・木・金)朝の9時から始まるティアガルテン地区の水泳教室に連れて行くことにした。なぜ、せっかくの休暇だというのにこんなに骨の折れることをしようと思ったのか。
その理由はこちら:

  1. 自宅からほど近いキタの向かいにある水泳教室が工事中のため閉鎖されており、教室が再開するのが9月半ば見込みで行けない。
  2. 仮にコースがあったとしても、希望者が申し込み開始日に殺到し、遅くとも6時には5時には(2018年9月現在)プール前に並んでおく必要がある。(無理)
  3. 9月半ばにコースが再開始したとしても同上の理由で恐らく受講申し込みを達成できない。
  4. 仮に3をクリアしたところで、長女の補習校や習い事もあるので予定が立たない。
  5. ベビーシッターさんに力を借りてもいいが、コストが掛かり過ぎる。
  6. 夏休みなので、普段はできないことを思い切って(自分の時間を犠牲にはするが)してもいいだろう。

その結果:

  1. 毎日なぜか7時起き。
  2. 毎日なぜかキタに行きたがらない息子。「泳いで疲れたから行きたくない〜。」
  3. 日中はほぼ仕事にならないが、何とか隙間時間で仕事をすることに。(でも、既に急な案件を二回も断る羽目に。)
  4. 移動が多いのと息子がコースを受講している間、自分も泳いだりするため、毎日30分昼寝をする習慣が付いた。(体力が持たない。)
  5. 4週目を終えたところで、息子はようやく5mほど補助を付けずに泳げるようになったが、明日から1週間チェコに山登りに行くのでヘタをすれば一からやり直し。(先生には足腰を鍛えて来なさい!と言われた。)

「えーっ!そんなぁ。」そう、まさにそんな感じだ。
私の見込み違い(育児には頻繁に付きまとう現象)で、うまく行けば3週間の夏期集中コースでタツノオトシゴ級がもらえるかな〜、なんて能天気に考えていたが、息子はまだ5歳だった。3週間では達成できず、トレーナーに相談したところ、継続した方がいいだろう、とのお言葉。長女が水泳を初めたのは小学校に入学した6歳で、あれよあれよと言う間にシルバー入手に至ったが、まあ5歳でもなんとかなるでしょう、なんて考えが甘かった。
5歳児にはもちろん個人差はあるだろうけど、まだ身体のコーディネーション力も体力もそれほどないようである。ここまで書いていて、表題に全く入っていないことに気が付いたが、ドイツの、というよりベルリンの水泳教室(Berliner Bäder Betrieb)の指導方法には長女の時に既にかなり驚かされている。
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  • 30代だと思われる男女ふたりのトレーナーが一度も水に入ったのを見なかった。長女曰く、例外的に一度だけ子供が溺れかけた際に男性トレーナーが飛び込んで助けたそうだ。
  • トレーナーは常にプールサイドを行ったり来たりしながら水の中の子供達に声掛けしているようだが、彼らがもつれて進めなくなると、長い棒のようなものを使って子供をさばく。(遠目にはヨーヨー釣りにしか見えない)
  • タツノオトシゴ級(平泳ぎで25m、プールサイドからの飛び込み、胸辺りの深さからリングを拾う)→ブロンズ(平泳ぎで200mを15分以内etc.)→シルバー(平泳ぎで400mを24分以内、3mの高さから飛び込み、潜水10m)→ゴールドと4つの級に分かれており、平泳ぎと背泳ぎは出て来るがバタ足やクロールの指導は一切なし。クロールはゴールド獲得のためにようやく出てくる扱いだ。
  • フォームの美しさや技術ではなく、あくまでもサバイバル水泳。水に沈まず、どれだけ距離を出せるかが肝心要。ただ、なぜ3mの飛び込み台から飛び込む必要があるのかは不明。(崖から足を滑らせた場合を仮定か?)

これはあくまでも、長女の通っていた水泳教室限定の話だし、このフリーランストレーナーふたりはBBBのトレーナーを辞めたようなので何とも言えない。ただ、長女はこの悪名高きトレーナーが好きで喜んで通っていたのだから世話がない。
しかし、「タツノオトシゴ級を取ったのに泳げない。」「ブロンズを取ったのに大して泳げていない。」云々と一体何のためのレベル取得なのか分からないような話を既に何人もの人から聞いているのは確か。BBBの水泳教室を受講させていた親は不満たらたらでポジティブな意見はなかなか耳に入ってはこない。
それにもかかわらず、なぜこんなに水泳教室の受講希望者が多いのか。実はそれにも理由がある。ベルリンの小学校では3年生の体育の授業で「タツノオトシゴ級」取得が目標で、水泳の成績が1/3を占める、という話を聞くのでサバイバル水泳に対する厳しさは、その他の教科の適当さからは皆目想像が付かない。
長女はシルバーを取得しているが、これも中身が伴っているのか眉唾ものなので、秋から始まる小学校の体育の授業に対する反応を娘から聞くのが楽しみである。

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Nichtschwimmerbecken/ 泳げない人用プール

とまあ、ほとんどポジティブなことを書けなかったが、長男の通っているコースの年配の女性トレーナーが余りにもこれまでとは違うので逆にびっくりしている。この先生、初めの1週間は毎日子供達と一緒に水に入ってきちんと指導をし(日本では当たり前のことですが)、毎回コースが終わった後は子供達とその親に進歩状況を事細かく説明してくれる。更衣室の床に腹ばいになってみんなの前で「じゃ、今日は家できちんと足の練習をしてきてね。」と平泳ぎの足の動きを見せてくれる。
「あー、こんなにきちんと丁寧に指導してくれる先生もいるんだ!!」と、もう感動モノでしかない。
この先生の熱意が伝わるかどうかは別として、長男の夏休み最後の週はとにかく水泳三昧になりそうだ。@チェコ国立自然公園
*写真はBBBのサイトより借用しています。

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